2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590055
|
Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
平田 隆弘 Josai International University, 薬学部, 教授 (90333450)
|
Keywords | 細菌 / 異物排出蛋白質 / 感染症 |
Research Abstract |
■蛋白質の局在をもとにした異物排出蛋白質の新機能の探索 これまでに、大腸菌の多剤排出蛋白質AcrBやマクロライド排出蛋白質MacBなどの異物排出蛋白質をGFPと融合させ、融合蛋白質の局在を,蛍光を利用して調べ、GFP-MacBが大腸菌の極に局在することを示してきた。さらにバイオフィルム形成株においても、バイオフィルム中でGFP-MacBが極に局在していることが示された。しかし、まだこの現象が本当に生理的に意味のある現象であるかわかっていない。今回、局在する理由として、細胞極に局在している細菌特有の脂質であるカルジオリピンとMacBとが蛋白質-脂質相互作用することによる極への共在を仮定し、大腸菌BW25113株由来のカルジオリピン合成酵素遺伝子(cls)欠損株であるJW1241株を用いて調べた。実際にcls遺伝子が欠損していることは、染色体のcls遺伝子部分のPCRによる増幅で確認した。マクロライド耐性を与える活性を保持している、緑色蛍光タンパク質融合GFP-MacBをプロモーター強度を低くしたpTrc99Aプラスミド(pTH2023)により発現させ、局在が変化しているかどうかを調べた。今まで調べていたE.coli TG1株と異なるBW25113株にpTH2023を導入したGFP-MacBもTG1株と同様に極に局在しており、GFP-MacBの極への局在は菌株に依存しなかった。BW25113株由来カルジオリピン欠損株JW1241でGFP-MacBを発現させた場合にも極に局在している像が観察された。予想に反して、極への局在は脂質カルジオリピンとの相互作用とは関係のないことが示唆された。今後は、スフェロプラストでの局在、細胞骨格蛋白質であるMreB欠損株での局在を調べる予定にしている。この結果は、2009年5月17日から21日に米国フィラデルフィアで開催されるアメリカ微生物学会でのポスター発表に採択された。(JW1241株はNBRP大腸菌事業(NIG)により分与頂きました。)
|