2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン・リソソームシステムによる細胞膜蛋白質の機能発現制御の解明
Project/Area Number |
18590059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 英明 九州大学, 薬学研究院, 助教 (80291524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 嘉孝 九州大学, 薬学研究院, 教授 (20217095)
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Keywords | 蛋白質分解 / リソソーム / ユビキチン / エンドソーム / 鉄イオン代謝 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
申請者はこれまでエンドソームにおける小胞輸送を制御するAAA-ATPase : SKD1/Vps4Bについて研究を行ってきた。最近、変異型SKD1(E235Q)の過剰発現により変型したエンドソーム(動物細胞におけるVpsクラスEコンパートメント)にユビキチン化された膜蛋白質が蓄積することを見出し、さらにそこに蓄積したユビキチン化膜蛋白質の網羅的プロテオミクス解析に成功した。同定された膜蛋白質の機能およびその代謝回転(寿命)がユビキチン・リソソーム系によりどのように制御されているかについて明らかにすることを目的として研究を行ってきた結果、細胞膜蛋白質の中でこれまでに9種類の細胞膜蛋白質についてSKD1(E235Q)の発現依存的にユビキチン化あるいは細胞内局在の変化が起こることを見出している。このことはこれら膜蛋白質がユビキチン化によりその機能発現が制御されていることを強く示唆するものである。さらにトランスフェリン受容体については鉄イオン濃度依存的にユビキチン化され、リソソームにおいて分解される事を明らかにした。現在、ユビキチン化部位であるリジン残基をアルギニン残基に変換した変異体を細胞内に発現させ、その代謝回転(寿命)がユビキチン・リソソーム系により制御されている事を明らかにした。さらにユビキチン化を受けるはずの細胞質領域をGST融合蛋白質として発現させ、in vitroユビキチン化アッセイにより、既知のユビキチンリガーゼの中から特異的なリガーゼの同定や同定されたリガーゼのRNAiによるノックダウンや活性中心に変異を加えたリガーゼの過剰発現によるドミナントネガティブ効果について検討を行っている。またITM2Bについてもユビキチン化部位であるリジン残基をアルギニン残基に変換した変異体を細胞内に発現させ、その機能および細胞内輸送の変化を野生型と比較・検討を行っている。
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