2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
長田 茂宏 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (40263305)
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Keywords | クロマチン / ヒストン修飾 / ヒストンバリアント / 化学発がん / 前がん病変 / 腫瘍マーカー / エピジェネティクス / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
これまでの細胞がん化の研究は遺伝子の変異などのジェネティクス異常に基づいた解析が行われてきた。しかし、最近の研究により、クロマチン修飾異常などのエピジェネティクス異常も細胞がん化に関与することが明らかにされつつある。本課題においては、肝前がん病変において発現上昇するクロマチン関連因子の細胞がん化に与える影響や機能解析について、以下の3点を中心に行った。 1.発がん過程において発現上昇するクロマチン関連因子の細胞がん化に与える影響 発がん過程において発現上昇するピストン修飾因子のひとつが、がん遺伝子c-Ha-rasのトランスフォーメーション活性に影響を与えることを明らかにした。 2.発がん過程において発現上昇するクロマチン関連因子の遺伝子機能に与える影響 肝化学発がん過程において、腫瘍マーカーである胎盤型グルタチオントランスフェラーゼ(GST-P)は肝臓特異的に発現上昇する。前がん病変において発現上昇するクロマチン関連因子がGST-P発現に与える影響を解析するために、GST-Pの発現制御領域を含むシフェラーゼレポータープラスミドを肝がん由来細胞H4IIEの染色体DNAに組み込んだstable transformantを作成した。 3.発がん過程において発現上昇するクロマチン関連因子の酵母対応遺伝子の機能解析 肝前がん病変において発現上昇するヒストンバリアントの酵母対応遺伝子の破壊株を作成した。その破壊株はDNAに損傷を与える薬剤に対して感受性を示した。しかし、ピストン修飾に影響を与える化合物に対しては、その遺伝子破壊により、化学物質に対する感受性が軽減することを明らかにした。
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