2007 Fiscal Year Annual Research Report
炎症・免疫系における2-アラキドノイルグリセロールの生理的役割の解明
Project/Area Number |
18590074
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
杉浦 隆之 Teikyo University, 薬学部, 教授 (40130009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 純 帝京大学, 薬学部, 准教授 (80230415)
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Keywords | カンナビノイド / 2-アラキドノイルグリセロール / モノアシルグリセロール / 樹状細胞 / マクロファージ / ナチュラルキラー細胞 / アレルギー / 炎症 |
Research Abstract |
本年度の研究により、以下の事柄が明らかとなった。 1.樹状細胞が2-AGによって遊走することが明らかとなった。2-AGの作用はCB2受容体拮抗薬であるSR144528により阻害されたことから、CB2受容体を介したものであることが分った。樹状細胞に発現しているCB2受容体の役割の全貌は、まだ明らかではないが、樹状細胞の遊走は免疫の成立において重要なステップであることから、CB2受容体とその内在性リガンドである2-AGは、免疫応答の調節に重要な関与をしている可能性がある。 2.ナチュラルキラー細胞であるKHYG-1を合成カンナビノイドであるCP55940で処理することにより、細胞障害性が亢進することが明らかとなった。CP55940の作用は、カンナビノイドCB2受容体拮抗薬であるSR144528により消失したことから、CP55940の作用はCB2受容体を介したものであることが確認された。2-AGも弱いながらKHYG-1細胞の細胞障害性を亢進させた。CB2受容体とその内在性リガンドである2-AGがウイルス感染細胞や腫瘍細胞に対する自然免疫においても、重要な調節的役割を担っていることが強く示唆された。 3.2-AGがマクロファージ様に分化させたHL-60細胞の貪食能を亢進させることが明らかとなった。2-AGによる貪食能の亢進は、CB2受容体拮抗薬であるSR144528により抑制されたことから、CB2受容体を介したものであることが確認された。
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Research Products
(4 results)