2006 Fiscal Year Annual Research Report
時計遺伝子BMAL1の脂肪細胞特異的な機能ならびに発現制御機構の解析
Project/Area Number |
18590077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
榛葉 繁紀 日本大学, 薬学部, 助教授 (20287668)
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Keywords | 脂肪細胞 / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
サーカディアンリズムを制御するbHLH/PAS型転写因子であるBmal1は、マウス成熟脂肪細胞において高く発現しており、脂肪細胞分化ならびに脂肪細胞機能の制御に関与している。我々は、高脂肪食給餌によって作製した肥満マウスの脂肪組織において、肥満に伴うBmal1の顕著な発現量の増加を見いだした。それに対して、肝臓ではこれらの増加が認められなかったことから、血中脂質濃度の変化により脂肪細胞特異的に遺伝子発現が影響を受ける可能性が考えられる。そこで本研究では、培養脂肪細胞及び肝細胞を用いて時計遺伝子発現への各種脂肪酸の影響について検討した。その結果、アラキドン酸処理により3T3-L1成熟脂肪細胞におけるBmal1の発現量の顕著な増加が示された。しかしながら、このアラキドン酸によるBmal1発現量の増加はラット初代培養肝細胞においては観られなかった。また、血清刺激によって同調した培養脂肪細胞において、アラキドン酸処理によりBmal1の発現振幅は増大した。次に種々の阻害剤を用いてアラキドン酸代謝物のBmal1発現への影響を検討したところ、プロスタグランジン類がBmal1の発現誘導に関わることが示唆された。 以上の結果より、食事由来のアラキドン酸がプロスタグランジン類を介して脂肪細胞における時計遺伝子発現機構を制御していることが推察される。現在、Bmal1プロモーター領域におけるアラキドン酸反応領域ならびに、その活性を制御する転写因子について解析している。
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