2006 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん欠神発作における酸化的および小胞体ストレス関連因子の変動とその意義
Project/Area Number |
18590078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石毛 久美子 日本大学, 薬学部, 助教授 (40212873)
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経科学 / シグナル伝達 / てんかん欠神発作 / 小胞体ストレス / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
当初の計画の通りに、まず、欠神発作の遺伝的モデルマウスであるlethargic(lh/lh)マウスおよび発作を生じないコントロール(+/+)マウス脳視床中脳および大脳皮質において、小胞体ストレスに関連する因子の変動について加齢変化と併せてWestern blot法により検討した。小胞体分子シャペロンであるglucose-regulated protein(GRP)78は、3週齢lethargicマウス視床・中脳においてコントロールマウスに比較し、上昇傾向を示したが、10週齢および20週齢では、変化が認められなかった。Lethargicマウス脳波には、15日齢で初めて欠神発作の指標である棘徐波複合が認められるようになることから、GRP78の上昇は、発作発現後の比較的早期に認められ、発作発現初期に小胞体ストレスに曝される可能性があるものと考えられた。一方、大脳皮質においては、このようなGRP78の変化は認められなかった。現在、引き続き、小胞体ストレスおよび酸化的ストレス関連因子の挙動について、発作発現早期に焦点を当てて検討中である。本申請課題では、培養細胞を用いて小胞体ストレスおよび酸化的ストレス関連因子の細胞内調節機構について調べることも計画している。この検討の一環としてマウス海馬由来神経様細胞であるHT22細胞において小胞体ストレス誘発薬であるツニカマイシン(TM)曝露の影響を調べた。TMを曝露すると、濃度および時間依存的な細胞死が誘導された。また、TM曝露により、CHOPの発現上昇が認められたが、小胞体ストレス特異的caspaseであるcaspase-12(不活性化型)の発現は、影響を受けなかった。Caspase-12については、今後、活性化型の動態を検討する予定である。上記のように1年目は概ね計画通りに遂行したので、次年度は形態学的変化の検討に重点を置いて進める予定である。
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