2006 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性気管支喘息発症時に気管支平滑筋過敏性が惹起されるメカニズムの解明
Project/Area Number |
18590079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
千葉 義彦 星薬科大学, 薬学部, 講師 (00287848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 寛泰 星薬科大学, 薬学部, 助手 (00328923)
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Keywords | 気管支喘息 / 気管支平滑筋 / カルシウム感受性 / RhoA / RNA干渉 / サイトカイン / Interleukin-13 / Interleukin-4 |
Research Abstract |
1&2.気管支平滑筋のRhoA発現および収縮反応に及ぼすIL-13などのサイトカインの影響 (1)アレルギー性気管支喘息モデルマウスの気管支肺胞洗浄液中において、IL-13やIL4、IL-5が高発現していることを証明した(Chiba, et al.,Am J Respir Crit Care Med.2006;173:958)。 (2)培養ヒト気管支平滑筋細胞にIL-13あるいはIL-4を直接処置したところ、各種STATs(1,3,5および6)が活性化され、特にSTAT6についてはその活性化の割合あるいは経時変化について処置するサイトカインによって明確な差があることを明らかにした。この時、IL-13処置した培養ヒト気管支平滑筋細胞ではRhoAのupregulationが認められたが、IL-4の処置によっては認められなかった。 (3)正常マウスの摘出気管支平滑筋組織にin vitroにてIL-13を処置したところ、STAT6の活性化およびRhoA upregulationをともなうagonists誘発収縮反応の増強が認められた。 (4)正常マウスに経鼻的にin vivo IL-13処置を行ったところ、STAT6の活性化およびRhoA upregulationをともなう気管支平滑筋過敏性が獲得されることを明らかにした。 (5)アレルギー性気管支暗息モデルマウスの気管支平滑筋組織において、RhoA upregulationをともなう気管支平滑筋過敏性が惹起されることを再確認し、また、抗原チャレンジ後にSTAT6が活性化されることを明らかにした。 以上の結果より、アレルギー性気管支喘息において気道炎症時に遊離されるIL-13が気管支平滑筋細胞に直接作用し、気管支平滑筋細胞内のSTAT6の活性化を介してRhoA upregulationを引き起して、これにより気管支平滑筋の過剰な収縮反応、すなわち気道過敏性が惹起されることが推察された(投稿準備中)。 3.気管支平滑筋過敏性に関与するサイトカイン受容体の同定(平成18年度内は一部実施) マウスIL-13Ralphal cDNAをもとに、siRNA発現ベクターを構築した。平成19年度に使用する。 4.気管支平滑筋におけるRhoA転写機構の解明(平成18年度内は一部実施) 現在、RhoA転写開始点の同定を試みており、平成19年度中にpromoter領域および転写因子を同定する予定。 (なお、上記1〜4は平成18年度交付申請諸「研究実施計画」に対応する。)
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