2007 Fiscal Year Annual Research Report
筋芽細胞の分化に関与する新規微小管結合蛋白質の特性
Project/Area Number |
18590082
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
平山 恵津子 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (10247786)
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Keywords | 細胞分化 / 骨格筋 / 筋芽細胞 / 筋管形成 / 微小管 / 神経細胞様突起 |
Research Abstract |
骨格筋の分化形成過程では、前駆細胞である筋芽細胞が分化のある時期になると一斉に融合し多核の筋管を形成する。筋管形成機構を解明する一環として、未だ筋管形成には至らない形質転換ウズラ胚筋芽細胞 (QM-RSV 細胞)と、筋管形成を開始したQM-RSV細胞各々で発現している遺伝子集団を用いて subtraction 法を行い、筋管形成時に発現量が増加する一遺伝子(AB128922を得た。この遺伝子のアンチセンスcDNA を QM-RSV 細胞に導入し、筋分化過程での発現増加を抑制すると筋管形成が阻害される事、未分化 QM-RSV 細胞でこの遺伝子産物を強制発現させると神経細胞様の突起を誘導する事、及び微小管重合阻害剤がこの突起形成を阻害する事等から、本遺伝子産物は筋管形成や微小管の動態に関与すると考えられた。また、スプライシングの違いで少なくとも3種の分子量の異なる蛋白質として存在する事、又、脳等筋以外め細胞にも発現している事から、その機能は多岐にわたると考えられた。しかし、本遺伝子産物はその機能を類推し得る様な既知の機能ドメインを持たず、その分子特性や機能について不明な点が多い。そこで、今年度は、その機能を理解する上での手がかりを得るべく、酵母 two-hybrid 法を用い本遺伝子産物と結合する蛋白質を探索した。分化誘導24時間目のQM-RSV細胞から調製したcDNAライブラリーより、本遺伝子の全長cDNAを bait として、酵母の栄養要求性と α-galactosidase 活性を指標に結合蛋白質を検索したところ、本遺伝子産物が NCAM (neural cell adhesion molecule)と結合する事が明らかになった。よって、本遺伝子産物を MYONAP(myogenesis-related and NCAM-associated protein)と命名した。NCAMは、脳と筋肉に発現する細胞接着分子であり、神経細胞の突起形成や筋管形成に関与する事が知られている。従って、MYONAP は NCAM と連関して神経細胞の突起形成や筋管形成に関与する事が示唆された。
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