2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗ガン剤の開発を目指した翻訳開始因子4Eの機能調節機構の解明
Project/Area Number |
18590085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
友尾 幸司 大阪薬科大学, 薬学部・講師, 准教授 (70257898)
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Keywords | 蛋白質 / 翻訳開始 / 構造解析 |
Research Abstract |
本年度の研究では,eIF4E-m^7GpppA-4EBP peptide複合体の結晶構造を基に、4EBPリン酸化によるeIF4Eからの解離機構について解析を行うとともに、3種類の内因性制御蛋白質4EBP-1〜3のeIF4E機能制御機構の差異と存在意義の解明を目的として研究を進めた。 eIF4E-m^7GpppA-4EBP peptide複合体の立体構造から、4EBP peptideの結合によりeIF4Eの全体構造に大きな変化はなかったものの、結合部位においてはeIF4Eと4EBP peptide間で数カ所の水素結合の形成、および疎水性側鎖を有するアミノ酸残基同士によって形成される疎水結合が確認された。中でも、今回初めて確認された4EBP peptide中のSer-65とeIF4E上のAsn-77との間で形成される水素結合は、リン酸化を受けた4EBPがeIF4Eから解離するという現象を考察する上で重要な知見であった。 一方、3種類の内因性制御蛋白質4EBPサブタイプ間での物性の違いを明らかにするために、大腸菌を用いたそれらの大量発現系の構築を行った.4EBP-1〜3の発現は,グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白質として大腸菌から発現させた.4EBP-1〜3のeIF4E機能制御機構の差異に関しては,表面プラズモン共鳴法による相互作用解析を行った。4EBP-1〜3それぞれをセンサーチップCM5上にアミンカップリング法により固定化し、キャップアナログが結合したeIF4Eをアナライトとして相互作用実験を行った結果、4EBP-2の結合力が最も強く、4EBP-1と4EBP-3とはほぼ同程度の相互作用力を有する事が分かった。更に、eIF4EのN末端側を32残基欠損させた変異体を用いて同様の実験を行ったところ、4EBP-1および2においては、eIF4E変異体への結合がより強くなることが確認された。
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Research Products
(1 results)