2006 Fiscal Year Annual Research Report
二次元液体クロマトグラフィーと固相過酸化水素処理による遊離糖鎖回収装置の試作
Project/Area Number |
18590086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
鈴木 茂生 近畿大学, 薬学部, 助教授 (00154542)
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Keywords | 糖タンパク質糖鎖 / 還元的アミノ化反応 / 還元的アミノ化反応 / Glycomics / 二次元液体クロマトグラフィー / 7-amino-4-methylcoumarin / ethyl p-aminobenzoate / p-aminobenzamide |
Research Abstract |
糖タンパク質糖鎖のような複雑なオリゴ糖の構造解析やそれぞれの糖鎖の分布状況を知る手段として液体クロマトグラフィーが広く利用されている。また、微量のオリゴ糖を感度よく分析するには、糖の蛍光標識が欠かせない。現在、糖の標識には、還元末端1位のアルデヒド基とアミノ基を有する蛍光試薬を縮合後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどで還元する、いわゆる還元的アミノ化反応が広く利用されている。この方法の普及により、既に数百種類のオリゴ糖の保持データが集積されているが、このようにして得られたオリゴ糖が糖鎖の機能解析などに利用されることはほとんどない。そこで、この還元的アミノ化反応により調製したオリゴ糖を元の遊離オリゴ糖に変換する条件の検討と液体クロマトグラフィーから溶出されたオリゴ糖をオンラインでトラップし、遊離反応に供するための装置の開発を検討した。既に7-amino-4-metllylcoumarin,ethyl p-aminobenzoate,p-aminobenzamideなど、代表的な蛍光試薬で標識したオリゴ糖にっいてはほぼ定量的(90%程度)に、遊離のオリゴ糖に変換できる条件を見出し、高マンノース型、ハイブリッド型、複合型のいずれの糖鎖に対しても適用可能であることを立証した(Anal.Biochem.に投稿)。また、この反応を液体クロマトグラフィーとオンライン接続するために、様々な固相抽出カラムを検討し、親水性逆相カラムが適していることを突き止めた。現在は収率の向上を検討中である。今後は、反応条件をさらに改善するとともに、二次元液体クロマトグラフィーとの接続へとつなげるべく実験を継続中である。
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