2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590092
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
深澤 征義 National Institute of Infectious Diseases, 細胞化学部, 室長 (20291130)
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Keywords | 脂肪滴 / 脂質 / アセチルCoAカルボキシラーゼ |
Research Abstract |
脂肪滴はほぼ全ての体細胞に認められる一種のオルガネラで、中性脂肪貯蔵・膜脂質代謝・エネルギー産生などに密接に関与すると考えられている。しかし、その形成過程については不明な点が多い。医学薬学的見地からも脂肪滴は肥満・脂肪肝等の本因であり、その形成メカニズムを知ることは、これらに付随した病態の解析・治療にも有用である。そこで、本研究は主に体細胞変異株を用い細胞内脂肪滴の形成メカニズムに重要な因子ついて明らかにすることを第一の目的としている。樹立に成功した脂肪滴の形成不全細胞株LDD-1の解析から、昨年度(平成18年度)までにアセチルCoAカルボキシラーゼ1(活性)が脂肪滴形成に必須であることを示した。そこで今年度は、アセチルCoAカルボキシラーゼ活性を阻害する薬剤のスクリーニングを行った。放射性炭酸のアセチルCOAへの取り込み活性に対する阻害能を指標に、試験管内アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害活性の測定を行った。天然物由来ライブラリーよりスクリーニングを行い、キサントン誘導体の一つが有意にアセチルCoAカルボキシラーゼ活性の阻害を示した。さらに、CHO細胞を用いたバイオアッセイにおいても、本薬剤は脂肪滴蓄積を有意に阻害することがわかった。これらの結果は、これまでの変異株を用いた解析と合致した。本薬剤を用いることで様々な細胞で広くアセチルCoAカルボキシラーゼ活性を阻害することが可能となり、細胞内脂質蓄積阻止の観点からも非常に有用と考えられた。
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Research Products
(2 results)