2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590092
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
深澤 征義 National Institute of Infectious Diseases, 国立感染症研究所・細胞化学部, 室長 (20291130)
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Keywords | 脂肪滴 / 脂質 |
Research Abstract |
細胞内脂肪滴はほぼ全ての体細胞に存在する細胞内小器官であり、中性脂肪貯蔵・膜脂質代謝・エネルギー産生等に重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、その形成機構については不明な点が多く残されている。医学薬学的見地からも脂肪滴は肥満・脂肪肝等の本因であり、その形成機構を知ることは、これらに付随した病態の解析・治療にも有用である。本研究では、脂肪滴形成に重要な因子を明らかにする方法として、細胞内脂肪滴の形成メカニズムに変異を有する体細胞変異株の樹立・解析を行う手法、および脂肪滴構成タンパク質を網羅的解析により同定・機能解析する手法、の2つの方法から取り組んでいる。 本年度(平成20年度)は、ヒト培養肝細胞(Huh7細胞)から遠心法により脂肪滴画分を精製・分離し、脱脂後画分をLC-MS/MSを用いたプロテオーム解析にかけ、タンパク質の同定をさらに進めた。以前同定できた40種近くのタンパク質に加えさらに100種類近い新規脂肪滴タンパク質を同定できた。脂肪滴構造タンパク質(ADRP、TIP47など)、膜輸送タンパク質(Rab蛋白など)、脂質代謝酵素が比較的多く検出されたものの、それ以外にも広範にわたる各種機能を有するタンパク質が同定された。また、機能未知のタンパク質も多数同定された。これらの分子が細胞内脂肪滴形成に関わっているかを検討することは非常に興味深く、siRNA、遺伝子過剰発現の系を用いてこれら分子の関与を今後検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)