2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゼン環を骨格に持つπ電子充填型核酸類縁体の合成と活用
Project/Area Number |
18590095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
上野 義仁 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20250467)
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Keywords | 核酸 / DNA / ベンゼン / 検出 / siRNA / ビーコン / マイクロアレー / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、筆者が開発したベンゼン-リン酸骨格から成る核酸類縁体をモレキュラービーコンのステム部位に導入したより高感度なヌクレアーゼ耐性な新しいモレキュラービーコンを作成すること、および、ベンゼン-リン酸骨格をダングリングエンド部位に導入したヌクレアーゼ耐性な新しい遺伝子発現抑制用のsiRNAを合成することを目的とし、研究を行なった。ステム部位がポリA、ポリUおよび四種の塩基から成るモレキュラー・ビーコンを合成した。尚、ループ部位の配列はヒトRNase Hの遺伝子を標的とした配列とした。合成したモレキュラー・ビーコンの熱的安定性を50%融解温度(T_m)を測定することにより検証した。その結果、ベンゼン-リン酸骨格を導入したモレキュラー・ビーコンは天然のDNAをステム部位に持つモレキュラー・ビーコンと同等の熱的安定性を有することが明らかとなった。また、標的RNAを添加することによる蛍光強度の変化を測定した。その結果、ベンゼン-リン酸骨格を導入したモレキュラー・ビーコンは天然のDNAをステム部位に持つモレキュラー・ビーコンと比較して、ステム部位の配列が標的配列と相補である場合と無い場合とで蛍光強度の変化が小さい(配列依存性が小さい)ことが明らかとなった。ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン[1,2置換体(1,2-Ben)1,3置換体(1,3-Ben)、1,4置換体(1,4-Ben)]およびビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン[2,3置換体(2,3-Nap)および1,4置換体(1,4-Nap)]を1から3個ダングリングエンド部位に導入したsiRNAを合成した。siRNAの構造はMALDI-TOF/MSにより確認した。合成したsiRNAのタンパク発現抑制活性をデュアルレポータアッセイにより検証した。アッセイにはHeLa細胞を使用した。その結果、ベンゼン誘導体を導入したものでは天然のチミジル酸を導入したものとほぼ同等の、ナフタレン誘導体を導入したものでは天然のチミジル酸を導入したものよりも若干強いタンパク発現抑制活性を示すことが明らかとなった。また、ダングリングエンドの修飾残基数とタンパク発現抑制活性を比較したところ、2残基のもが最も高いタンパク発現抑制活性を有することが判明した。
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