2006 Fiscal Year Annual Research Report
SBDDにおける薬物候補分子の活性(蛋白質結合親和力)予測法の開発
Project/Area Number |
18590096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲西 功 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (10362576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 和夫 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30132723)
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Keywords | フラグメント分子軌道法 / 結合エネルギー / 溶媒和エネルギー / 構造最適化 / FKBP / HIV-1 / タンパク質 / SBDD |
Research Abstract |
平成18年度は、FK506 binding protein、HIV-1 protease及びEstradiol 17-β-dehydrogenaseとそのリガンドの複合体10種について、フラグメント分子軌道(FMO)法による構造最適化計算の条件を検討した。その結果、リガンド分子から約8Åの距離に存在するタンパク質のアミノ酸残基を抽出し、リガンド分子及びリガンド分子から5Åの距離に存在するアミノ酸の側鎖部分のみの構造を最適化するのが、リガンド結合界面における安定構造を得るのに妥当であることが判明した。また、1フラグメントあたり約20個以上の非水素原子を含めると、結晶構造の再現性がよいことが明らかとなった。計算にはFMO-HF/3-21G基底関数系を用いた。構造最適化前後のリガンド分子の位置の変位は、結晶状態における各複合体分子のパッキングの状態によりばらつきがあるが、0.2〜0.8Å程度であった。このようにして構造最適化した部分構造をもとの複合体結晶構造の相当部位と置換した後、蛋白質-リガンド間の結合エネルギーをFMO-MP2/6-31G*基底関数系で求めた。一方、研究分担者らによりFMO計算にPCM法による溶媒和エネルギー計算のルーチンが追加された。これを上記の複合体系に適用したところ、計算に用いるパラメータによって得られる水和自由エネルギー・変化量は大きく異なった。従って、平成19年度にはPB/SA法による水和エネルギー値を参考に、原子半径などの結果に大きな影響を与えるパラメータの適正値に関する検討を実施する必要がある。上記の一連の計算はLinuxPCクラスターを用いて実行したが、平成18年度予算で新たに追加した1CPUあたり1GBメモリの効果により(従来1GB)、計算速度が従来比で約3倍以上高速化され、研究が格段に効率化された。
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Research Products
(6 results)