2007 Fiscal Year Annual Research Report
SBDDにおける薬物候補分子の活性(蛋白質結合親和力)予測法の開発
Project/Area Number |
18590096
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲西 功 Kyoto University, 薬学研究科, 准教授 (10362576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 和夫 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30132723)
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Keywords | フラグメント分子軌道法 / 結合エネルギー / 溶媒和カネルギー / 構造最適化 / FKBP / HIV-1プロテアーゼ / タンパク質 / SBDD |
Research Abstract |
平成19年度は、研究実施計画に沿って計算対象とするタンパク質系の数を増やした。FMO-MP2/6-31G*レベルで求める相互作用エネルギーの値と、リガンドの結合能との相関を見るために、解離定数がmMからnMオーダーのリガンドまでを計算対象とした。対象としたタンパク質には、レチノール結合タンパク質、レクチン、ステロイド異性化酵素、カゼインキナーゼなどを含む。概ね、リガンド結合能と相互作用エネルギーは相関したが、相互作用エネルギーの成分(HFエネルギーと電子相関エネルギー)は計算対象により全く異なる傾向を示した。 一方、複合体形成時の脱水和エネルギーを水和モデルの一つであるFMO-PCM法で算出するにあたり、計算に用いる原子半径の検討を行なった。GamessによるFMO-PCM計算では、原子半径に一般的なvan der Waals半径の他、United原子を用いるSUAHF半径とUAHF半径を設定することが可能である。PCM水和モデルにおける原子半径の妥当性を検証するには、水分子をあらわに扱う計算法との比較が一つの指標になると考えられるため、FK506結合タンパク質を用いて比較した。今回水和エネルギーの分散力項に着目し、原子半径ごとに比較を行なったが、いずれの半径を用いても水分子をあらわに扱った時の計算誤差内にあり、適切な原子半径の決定には至らなかった。PCM法による脱水和エネルギー(特に静電項)は原子半径により大きく異なるため、リガンドの結合能予測に水和エネルギーを用いる際には解決すべき大きな問題点である。
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Research Products
(7 results)