2008 Fiscal Year Annual Research Report
SBDDにおける薬物候補分子の活性(蛋白質結合親和力)予測法の開発
Project/Area Number |
18590096
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
仲西 功 Kinki University, 薬学部, 教授 (10362576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 和夫 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30132723)
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Keywords | フラグメント分子軌道法 / 結合エネルギー / 溶媒和エネルギー / 構造最適化 / FKBP / HIV-1プロテアーゼ / タンパク質 / SBDD |
Research Abstract |
今年度、HIV-1プロテアーゼ複合体(50種)、カゼインキナーゼ2複合体(5種)、血液凝固因子Xa(4種)のFMO計算を新たに実施した。 HIV-1プロテアーゼ複合体(50種)については、リガンドとタンパク質の各アミノ酸フラグメントとのペア相互作用エネルギーを用いてCOMBINE (Comparative Binding Energy Analysis)法により活性予測を試みた。その結果、FMO計算によるペア相互作用エネルギーには、リガンド結合時の分極の効果が過大に評価されており、特に水素結合において顕著であるため、その効果により力場計算エネルギーを用いる場合より予測能が若干低下した。これには、水素結合を強めに評価するHF法による構造最適化にも問題があると考えられた。 カゼインキナーゼ2複合体では、静電相互作用の強弱によるリガンド活性の違いを明確に分離することは可能であったが、微妙な活性の違いの予測は困難であった。また、血液凝固因子Xa複合体では、リガンドの塩素原子とタンパク質のチロシン残基のπ電子との相互作用が反発と出るため、HFレベルでの構造最適化過程で構造が破綻してしまった。モデル系による詳細な相互作用エネルギー解析を実施したところ、C1-π相互作用は、HFレベルでは反発となるが、CCSD(T)では約2 kcal/mol程度の安定化エネルギーを示すことが明らかとなった。 FMO相互作用エネルギーとPCM水和エネルギーを組み合わせることで、アフィニティ値を実験値に近い値で再現することができることを示した。しかし、より精度の高い構造最適化が必要であること、エントロピー効果の取り込みなど今後に向けての課題も明らかとなった。
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Research Products
(18 results)