2006 Fiscal Year Annual Research Report
アスコルビン酸を規範とする新規抗酸化活性化合物の創製
Project/Area Number |
18590105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
高橋 恭子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (90255381)
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Keywords | 薬学 / 有機化学 / 生理活性 / 抗酸化活性 / 活性化合物 |
Research Abstract |
本研究では医薬品のリード化合物となり得る抗酸化剤の開発を目指し、活性発現に最小限必要な部分構造の抽出を行うため、環状β-ジケトン構造中のカルボニル基数の変化、ヘテロ原子の導入の影響を調査した。また5員環および6員環ジケトンについて2位フェニル基の有無による活性への影響を明らかにした。候補化合物として2-Phenyl-1、3-cyclopentanedione(1a)を基本構造として6員環誘導体2a、モノケトン3、トリケトン4、ヘテロ原子を導入した誘導体として一方のカルボニルに窒素原子を導入したシッフ塩基5、両方のカルボニルをスルホンに変換した6をデザイン・合成した。2位フェニル基の効果を評価するために5員環、6員環それぞれのメチル体および無置換体β-ジケトン化合物1b、1c、2b、2cを活性評価に用いた。上記の化合物とDPPHとのエタノール中、もしくはエタノール/水中におけるラジカル消去初速度を測定した。 1)モノケトン3、シッフ塩基5、スルホン6に関しては活性が著しく減弱もしくは消失し、トリケトン4は1aと同等の活性を示したことから活性の発現にβ-ジケトンが不可欠であることが示唆された。 2)5員環ジケトン1a-c、6員環ジケトン2a-cの比較を行ったところ、1b、1c、2b、2cはラジカル種の安定性に寄与すると考えられるアリール基を持たないにも関わらず、1aの1/2〜同程度のラジカル消去活性を示した。なかでも2-Methyl-1、3-cyclopentanedione(2b)は1aと異なり、生理的条件下を模したエタノール/水系でも有意な活性を示した。 以上の結果から環状β-ジケトン化合物の活性発現に2位のアリール基は必ずしも必須ではないことが示された。このことは、シンプルな環状β-ジケトン構造を有する化合物には抗酸化活性を有する可能性があることを示唆している。
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