2007 Fiscal Year Annual Research Report
アスコルビン酸を規範とする新規抗酸化活性化合物の創製
Project/Area Number |
18590105
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
高橋 恭子 Kyoritsu University of Pharmacy, 薬学部, 助手 (90255381)
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Keywords | 抗酸化活性 / 酸化ストレス / エダラボン / アスコルビン酸 / 尿酸 |
Research Abstract |
本研究では既存の抗酸化活性化合物のうちフェノール性水酸基を持たないアスコルビン酸やエダラボンの構造を規範として、活性発現に真に必要な部分構造の抽出と新規骨格とのハイブリッドによるリード化合物の創出を行った。 1)β-ケトエステル誘導体のデザインと合成 昨年度までの研究成果である、脳保護薬エダラボンと等価な構造を有し、エダラボンと同等のラジカル消去活性を持つ2-Phenyl-1,3-cyclopentane-dioneの構造を基盤とし、中性水溶液中で失活するという問題点を解決するために構造展開を行った。活性の発現にはカルボニル基α位炭素上の水素の脱離が必須であるが、生成するアニオン体が水中で安定化すると一電子供与能の低下を招き、従ってラジカル消去活性を消失するものと考えられる。アニオン体の安定性の指標となるpKaを制御することによりこの点を改善した2-アルコキシインダノン誘導体は水中においても有意なDPPHラジカル消去活性を示した。 2)新規類縁体の細胞に対する毒性および酸化ストレス抑制効果の評価 アスコルビン酸と同等の部分構造を有するα-ピリドインはアスコルビン酸に匹敵するラジカル消去活性を示し、脂質過酸化抑制効果はアスコルビン酸を凌駕した。さらに生体における有用性の指標として培養細胞に対する試験を行ったところ、α-ピリドインはHL-60細胞に対し低毒性であり、過酸化水素曝露による酸化ストレス下において有意な細胞保護効果を示した。この効果が細胞内活性酸素種の消去によるものかを明らかにするためにDCFH-DAをプローブとした評価系を用いて細胞内での新規活性化合物の挙動の解明を試みた。
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