2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗アルツハイマー病ペプチド性因子ヒューマニンをシードとした根治療法の構築
Project/Area Number |
18590106
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 祐一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00317330)
|
Keywords | アルツハイマー病 / 神経細胞死 / Transforming Growth Factor β / ヒューマニン / サイトカイン / 受容体 / STAT3 |
Research Abstract |
アルツハイマー病脳に沈着するアミロイドβ(Aβ)によるTransforming Growth Factor β(TGFβ)の誘導 我々はこれまでにアミロイド前駆体タンパク質(APP)の細胞外領域に結合しAPP細胞内領域から神経細胞死を惹起する天然のリガンドとしてTGFβ2を報告している。本研究では、アルツハイマー病の最も一般的な病理学的特徴である老人斑の主成分であるAβ40とAβ42がTGFβ1、TGFβ2、およびTGFβ3のmRNAおよびタンパク質の発現にどのような影響を与えるかについて神経細胞株およびグリア細胞株を用いて検討した。その結果、Aβ40は生理的濃度に近い10nMの濃度でTGFβ1およびTGFβ3を、一方10nM Aβ42はTGFβ2を誘導することが判明した。この結果は、未だ解明されていない弧発性アルツハイマー病の発症にAβとともにTGFβが関与している可能性を示唆するものである。 ヒューマニン受容体の探索 我々はこれまでにアルツハイマー病関連侵害刺激が誘導する神経細胞死を抑制する因子ヒューマニン(HN)を同定し、その作用機構を検討してきた。前年度までに、HN受容体から出力されるシグナルがSTAT3を介している事を報告している。当該年度においては、HN受容体を構成する分子の同定を精力的に行った。その結果、HN受容体は、IL-6受容体スーパーファミリーに共通"gp130"、IL-27受容体として知られる"WSX-1"、およびciliary neurotrophic factor受容体α鎖"CNTFR"の三者である事を見出した。この複合体はこれまでに報告されていない新規3量体である(投稿中)。
|
Research Products
(2 results)