2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜透過性改善を目指したHTLV-Iプロテアーゼ阻害剤の合成研究
Project/Area Number |
18590110
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木村 徹 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (70204980)
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Keywords | HTLV-I / レトロウイルス / プロテアーゼ / 阻害剤 / 遷移状態ミメティック |
Research Abstract |
アスパルティックプロテアーゼ阻害剤の設計は,基質遷移状態概念誘導体を基質の切断部位に組み込み,これを基に構造変換を行って,強い活性及び薬物として必要な物性を有する化合物を見いだすといった手法が一般的である.我々は従来より遷移状態ミミックとして hydroxymethylcarbonyl(HMC)が有用であり,かつユニークな相互作用をもたらすことを示してきた.実際に HTLV-1 プロテアーゼの基質部位p19/p24に相当するオクタペプチド(PQVL*PVMH)に HMC を導入し,多少の構造変換を行った化合物 KMH-10162 は HTLV-1 プロテアーゼ阻害活性を有していた.そこでこの化合物をリードに,膜透過性を上昇させるようなデザインを行って阻害剤を合成した.昨年度行った 1)阻害剤の低分子化 2)P3の構造変換 3)P3'の構造変換 の結果を考慮し,更なる構造変換を行うとともに,以下の検討を行った. 4)P1 の構造変換P1部位は疎水性のポケットに結合していると考えられるが,その先を延長するとS3サブサイトに到達できる.そこで活性の上昇と物性の改善を両立することを期待して,P1部分に適当な性質をもつ官能基を組み込んだ阻害剤のデザインと合成を行った. 5)阻害活性の評価 1) から4)で合成した化合物の評価は,すでに確立した HTLV-1 プロテアーゼのアッセイにより阻害活性を測定して行った.また同時に HIV プロテアーゼに対する活性も測定し,HTLV-1 とHIV の違いについても考察した. 6)2)から4)の再検討 得られた結果をふまえて構造の再検討を行った.
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Research Products
(5 results)