2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜透過性改善を目指したHTLV-Iプロテアーゼ阻害剤の合成研究
Project/Area Number |
18590110
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木村 徹 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (70204980)
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Keywords | HTLV-I / レトロウイルス / プロテアーゼ / 阻害剤 / 遷移状態ミメティック |
Research Abstract |
アスパルティックプロテアーゼ阻害剤の設計は,基質遷移状態概念誘導体を基質の切断部位に組み込み,これを基に構造変換を行って,強い活性及び薬物として必要な物性を有する化合物を見いだすといった手法が一般的である.我々は従来より遷移状態ミミックとしてhydroxymethylcarbonyl(HMC)が有用であり,かつユニークな相互作用をもたらすことを示してきた.実際にHTLV-Iプロテアーゼの基質部位p19/p24に相当するオクタペプチド(PQVL*PVMH)にHMCを導入し,多少の構造変換を行った化合物KMI-10162はHTLV-Iプロテアーゼ阻害活性を有していた.そこでこの化合物をリードに,膜透過性を上昇させるようなデザインを行って阻害剤を合成した.昨年度までに行った1)阻害剤の低分子化2)P3の構造変換3)P3'の構造変換4)P1の構造変換5)阻害活性の評価の結果を考慮し,更なる構造変換を行うとともに,以下の検討を行った. 6)2)から4)の再検討得られた結果をふまえて構造の再検討を行いデザインした,阻害剤の合成を行った. 7)阻害剤の物性改善と抗ウイルス作用の増強を目指したダブルドラッグの設計,合成を行った.すなわちHMCを含むHTLV-Iプロテアーゼ阻害剤と逆転写酵素阻害剤を,生体内で切断可能な様式を用いて共有結合させた化合物を合成した.
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