2006 Fiscal Year Annual Research Report
常在性薬物代謝型シトクロムP450発現の周期的変動に関する解析
Project/Area Number |
18590136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐久間 勉 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (30250468)
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Keywords | 日内変動 / 性周期 / CYP3A41 / CYP3A44 / マウス |
Research Abstract |
生命活動の変動には一定の周期性を持ったものも多く、薬効発現の重要な変動要因となりうる。本研究では、薬物代謝酵素シトタロムP450、特にCYP3A遺伝子の周期的発現変動をマウスをモデルに解析した。 マウスには、8つのCyp3a遺伝子(Cyp3a11,13,16,25,41,44,57,59)が存在するが、本年度は先ずヒトCYP3A4に近い発現プロファイルを示すメス特異的なCyp3a41とCyp3a44遺伝子について解析した。始めに定量的mRNA発現の解析を行うため、二つの遺伝子特異的なTaqManプローブを利用したリアルタイムRT-PCR法を構築した。 メスマウスは4〜5日の性周期(発情前期、発情期、発情後期、発情休止期)を示し、発情前期に両遺伝子の発現に影響を与えるエストラジオールの一過的な大量分泌が観察される。性周期と肝臓における両遺伝子の発現の関連を解析したところ、Cyp3a41遺伝子は、発情期に高いmRNA発現を示し、最も低い発情前期に比べ約2倍の発現を示した。一方、Cyp3a44はCyp3a41とは異なり、発情期に最も低い発現を示し発情休止期に最も高い発現を示した。 日内変動について、エストラジオールレベルの低い発情後期から発情休止期おいて観察した。マウメは12時間の明暗サイクルのもと2ヶ月飼育し、12、16、20、0、4、8時に肝臓を摘出した。その結果、Cyp3a41発現には日内変動が観察され、0時における発現が他の時刻に比べ約2倍の値を示した。一方、Cyp3a44には顕著な日内変動は観察されなかった。Cyp3a41とCyp3a44両遺伝子は調節領域においても高い塩基配列の相同性を示す。次年度は、二つの遺伝子について比較検討することで、Cyp3a41遺伝子発現の性周期依存的変動、日内変動をもたらす機構の解明を目指す。
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Research Products
(1 results)