2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポーター活性アレイを用いた胎盤関門異物認識の全容解明
Project/Area Number |
18590154
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
崔 吉道 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (40262589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巨勢 典子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (60348612)
中島 恵美 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (90115254)
|
Keywords | 胎盤関門 / トランスポーター / 抗ウイルス薬 / ヌクレオシド / 有機アニオン / 定量PCR / Caco-2細胞 / エストロン |
Research Abstract |
本研究の目的は、胎盤関門の薬物輸送メカニズムを解明することにある。本年度は抗ウイルス薬のddIに焦点をあてた。胎盤細胞株TR-TBT 18d-1をモデルとして[^3H]ddI取り込みを解析した。TR-TBT18d-1の[^3H]ddI取り込みは、飽和性、温度、時間依存性、Na^+非依存性を示し、ENT1、ENT2を阻害する種々核酸類で有意な阻害傾向が見られた。有機アニオントランスポーターOATの基質では有意な阻害は見られなかった。以上のことから、TR-TBT 18d-1のddI取り込みに、主にENT1、ENT2が関与する可能性が考えられた。 同一薬物を認識するトランスポーターが複数発現する場合、それぞれの寄与を推定する方法論を確立する必要がある。そこで、Caco-2細胞のエストロン-3-硫酸(E-3S)取り込みをモデルとして検討した。Caco-2細胞の[^3H]E-3S取り込みはNa^+非依存的で種々阻害効果から有機アニオントランスポーターが関与する可能性が示唆された。[^3H]E-3S取り込み活性を持つ有機アニオントランスポーターOATP2B1、OATP3A1およびOATP4B1を293細胞に強制発現し、詳細な輸送特性を比較検討したところ、いずれも良い一致を示した。更に、各トランスポーターの発現レベルと輸送活性の関係から、各発現量あたりの取り込みクリアランス(μL/min/mRNA copy)を求めたところ、OATP2B1の輸送効率が顕著に高いことが明らかとなった。Caco-2細胞の各トランスポーターのmRNA発現レベルの定量解析の結果、Caco-2細胞の[^3H]E-3S取り込み活性は、ほぼOATP2B1のみで説明がつくことが示された。 今後、このような方法論を胎盤関門に応用することが可能であると考えられる。
|
Research Products
(3 results)