2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
池田 啓子 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10265241)
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Keywords | Six1 / 嗅上皮 / 発生 / マウス / 嗅神経細胞 / パイオニアニューロン |
Research Abstract |
マウス嗅上皮は胎生9.5日に頭部外側に鼻プラコードとして発生する。胎生10.0に"early neurogenesis"と呼ばれる神経発生が観察される。胎生13.5以降、嗅上皮は3層構造をとり、基底細胞から"established neurogenesis"がおこり嗅神経細胞が生み出されるようになる。後者の"established neurogenesis"ではMash1→Neurogenin1→NeuroDという遺伝子カスケードが明らかにされていたが、"early neurogenesis"の遺伝子カスケードはわかっていなかった。また"early neurogenesis"では、パイオニアニューロンと呼ばれる特殊な神経発生と、初期嗅神経細胞発生がおこることが、ゼブラフィッシュの発生から推測されていたが、ほ乳類の発生段階では現在まで明確に示されていなかった。今回申請者らは、ホメオボックス転写因子をコードするSix1遺伝子のノックアウトホモマウスSix1^<-/->の解析から、Six1が"early neurogenesis"に必須な遺伝子であることを見出した。TuJ1(神経のマーカー)等の免疫染色法で、胎生10.5のSix1^<-/->では神経発生がほとんど観察されないこと、in situ hybridization法で、胎生10.5のSix1^<-/->では野生型と比較してMash1の発現は変化がなかったが、Neurogenin1やNeuroDの発現が大きく低下していた。すなわち初期嗅神経細胞発生が大きく障害されていた。さらにパイオニアニューロンの産生は、Six1^<-/->では完全に消失していた。以上の結果より"early neurogenesis"における遺伝子カスケード(Six1は最上流に位置する)と、ほ乳類のパイオニアニューロンの存在を明確に示すことができた。
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Research Products
(2 results)