2007 Fiscal Year Annual Research Report
心臓発生過程でおこる心内膜床形成でのwntと骨形成因子(BMP)の協調作用機構
Project/Area Number |
18590173
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
山岸 敏之 Saitama Medical University, 医学部, 講師 (60255122)
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Keywords | 心臓 / 心内膜床 / wnt |
Research Abstract |
心内膜床は、初期胚心臓の房室管および流出路に形成され、完成された心臓の中隔や弁の原基となる。心内膜床の形成機構の解明は、先天性心奇形や心臓の形態形成機構を知るうえで重要な手がかりになる。申請者は、心筋細胞から分泌される骨形成因子(Bone morphogenetic protein: BMP)が、心内皮細胞に存在するTGF-β2、3と協調的に作用し心内皮細胞の形質転換を誘導すること、また心筋細胞からはBMPとともに作用する未知の液性因子が分泌されることを明らかにした。そこでこの未知の液性因子としてwntに注目し、ニワトリ胚心臓からのクローニングを行った。これまでに8種類のwnt遺伝子のクローニングを行い、塩基配列を決定した。なかでもwnt6の発現時期と場所は心内膜床形成への関与を予想させた。しかしながらこれまでの解析結果からは、wnt6は単独でも、またほかの液性因子の存在下においても心内皮細胞の形質転換を誘導することはなかった。そこで別のwntが作用している可能性を考え、wnt2遺伝子に注目しクローニングを試みた。ニワトリwnt2は全長の遺伝子配列が報告されていないことから、公開されているニワトリのゲノム情報をもとに、ニワトリwnt2のタンパク質コード領域全長のクローニングを行った。PCR法によるクローニングを行い、目的の長さの産物をクローニングベクターpCRIIに導入した。得られたクローンの塩基配列を決定し、その塩基配列情報をヒトやマウスのwnt2と比較した。その結果、得られたクローンはニワトリのwnt2である可能性が高かった。次にin vitroの実験で心内皮細胞に遺伝子導入させるため発現ベクターのpCS2に組み換えた。
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