2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
永島 雅文 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40241319)
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Keywords | 臨床解剖学 / 模擬手術 / 適合試験 / 手術用顕微鏡 / X線透視撮影装置 / 映像記録 |
Research Abstract |
本研究では、献体された解剖体を対象として、内頚動脈、椎骨動脈、硬膜静脈洞などの血管構造を髄膜との局所解剖学的関係から類型化し、最終的に、血管周囲の組織環境の多様性から、頭蓋底に生じる脳血管障害の多彩な病態を説明することを目的としている。このような臨床解剖学の領域では、模擬手術(シミュレーションサージャリー)が極めて有効な研究手法となる。解剖体への模擬手術を実際の手術環境に近づけるために、グルタールアルデヒド・ベースの固定・中和液を使用し、手術用顕微鏡を導入している。本年度は、模擬手術の経過をデジタル画像として記録できるよう、手術用顕微鏡に3CCDカラービデオカメラを設置し、研究環境を整備した。またX線透視撮影装置の活用により、金属インストルメントの適応模擬手術の結果を評価できるようにした。 平成18年7月にウィスコンシン州ミルウォーキー市で開催された米国臨床解剖学会(AACA)では、2件の研究成果を報告した。「Seminar for clinical anatomy, simulation surgery, and feasibility study」では、上記の環境で、脳神経外科医による頭蓋底模擬手術の有用性を検証し、整形外科における脊椎の金属内固定術を技術評価し得た。「Variation in the level of common carotid bifurcation : cadaver study and clinical significance」では、多数の解剖体を対象として、内頚動脈の起始部(総頚動脈の分岐部)の脊椎高位を調査した結果と合わせて、内頚動脈狭窄症に対してステント留置による血管形成術を施した臨床例のデータを検討した。 前者の研究成果は同年6月の第10回臨床解剖研究会に、後者の内容は同年10月の日本解剖学会関東支部第94回学術集会でも報告した。
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