2006 Fiscal Year Annual Research Report
ガラニン様ペプチドによる摂食・エネルギー代謝調節の機能形態学的解析
Project/Area Number |
18590176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
管 建蓮 昭和大学, 医学部, 助手 (20276538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
荒田 悟 昭和大学, 遺伝子組換え実験室, 講師 (20159502)
大坂 寿雅 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養所要量研究部, 主任研究官 (30152101)
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Keywords | ガラニン様ペプチド / 求心性ニューロン / エネルギー代謝 / トランスジェニックマウス / ニューロンネットワーク |
Research Abstract |
ガラニン様ペプチド(GALP)はブタ視床下部より単離・同定された生理活性ペプチドであり、GALP含有ニューロンは脳内で複数の摂食調節ニューロンと神経相関を持っている。GALPは短期的には摂食充進作用をもち、長期的には摂食量および体重減少作用のあることが多数の研究者によって認められている。GALPは摂食調節のみならずエネルギー代謝調節にも関与することが示唆される。我々は、ラット麻酔下でのGALPの脳室内投与後、心拍数、深部・皮膚体温、酸素消費量を4時間にわたり経時的に測定した。また、脳内の熱産生経路の1つであるプロスタグランジン系を介する経路をCOX2選択的阻害薬により前投与してこの系をブロックした場合のGALPによる心拍数、深部・皮膚体温、酸素消費量の上昇抑制をしらべた。さらにGALPの脳内の標的細胞を同定するために、c-Fos抗体を用いて免疫染色を行ないc-Fosを発現する細胞種の同定をした。さらにGALP投与2時間後の骨格筋、褐色・白色脂肪細胞などにおけるグルコースの取り込みを2-DG法にて測定し、GALPのエネルギー代謝調節への関与をしらべた。GALPの脳室内投与後、濃度依存的に心拍数、酸素消費量は上昇し、投与後1時間と2時間に2相性のピークを示した。深部体温は150分後に上昇ピーク値を示したが、熱放散を示す皮膚温の変化はみられなかった。脳内プロスタグランジン系を介する経路をブロックするとGALPによる熱産生の効果は消失した。GALP脳室内投与後の末梢臓器における2-DGの取り込みは、末梢骨格筋において有意に増加した。褐色脂肪細胞における2-DGの取り込みは増加傾向を示した。以上の研究結果よりGALPは摂食調節のみならず、エネルギー代謝調節にも深く関与することが明らかになった。
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Research Products
(10 results)