2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテイン4.1B遺伝子欠損マウスを用いた個体レベルでの機能形態変化の研究
Project/Area Number |
18590181
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
寺田 信生 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (60293461)
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Keywords | 膜骨格蛋白 / 遺伝子欠損マウス / 膜内蛋白 / イオン共輸送体 / 凍結技法 |
Research Abstract |
平成18年度より作製した4.1B遺伝子欠損マウスについて、C57BL6マウスへの戻し交配を継続、ヘテロマウスの形態・機能変化について検討中である。プロテイン4.1Bの腎臓近位尿細管における結合膜内蛋白を検討した。ナトリウム-重炭酸イオン共輸送体(NBC)蛋白の、赤血球蛋白Band3と類似する構造について、GST融合蛋白を作製して結合能を解析。また、免疫沈降法を用いて複合体について確認した。また、細胞直下の4.1ファミリーより一段階下流のシグナル伝達蛋白である細胞質内蛋白p55に着目して、4.1Bとの複合体形成についても検討した。免疫染色では、NBC,4.1Bさらにp55は近位尿細管のS1-S2の側基底面に陽性部位を認め、これらが複合体として局在することを明らかにした。これらのことより、腎臓で4.1Bが電解質の保持と関連している可能性を示唆している。また、作製した4.1B欠損マウスにおいても、p55の免疫染色性が減少することを確認しているが、機能変化については、in vitroの単離尿細管および生体での尿濃縮能によっては、野生型と大きな変化は今のところ認めていない。さらに4.1Bと同様の遺伝子工学的手法を用いて、ファミリー蛋白である4.1G遺伝子欠損マウスの作製に着手、進行中である。 また顕微鏡学的解析手法の開発として継続している、生体内凍結技法を含む凍結技法を用いた"生きた動物"の解析について、免疫組織化学法および共焦点ラマン顕微鏡法と組み合わせて、時間分解能を高めた解析を行った。これまで困難であった虚血に陥った肝細胞の同定、凍結乾燥法を用いた生体内凍結眼球標本の組織マッピングを行い、現時点での共焦点ラマン顕微鏡の解像力を明確にした。この中で凍結した生体血管の赤血球酸素飽和度が解析できることを示し、継続して新たな測定法について検討している。
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[Journal Article] Interaction of membrane skeletal protein, protein 4.1B and p55, and sodium bicarbonate cotransporterl in mouse renal S1-S2 proximal tubules.2007
Author(s)
Terada N, Ohno N, Saitoh S, Seki G, Komada M, Suzuki T, Yamakawa H, Soleimani M, Ohno S.
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Journal Title
J Histochem Cytochem 55
Pages: 1199-1206
Peer Reviewed
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