2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
片岡 洋祐 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40291033)
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Keywords | 大脳皮質 / サテライト細胞 / Perineuronal satellite cell / 増殖 / 分化 / 再生 / 脱分極 |
Research Abstract |
これまでに、成獣ラット脳内において大脳皮質ニューロンの神経細胞体に密着して存在する細胞群(Perineuronal satellite cell)の中に、近傍ニューロンの神経活動によって活発に分裂・増殖する細胞群(Perineuronal germinal cell)を見いだしている。平成18年度は、選択的に大脳皮質ニューロンを脱落させたラット実験モデルを作製し、ニューロンやグリア細胞の脱落に際して、Perineuronal germinal cellがどのような役割を持つのかを組織化学的手法を用いて検討した。選択的大脳皮質ニューロン脱落モデルは、神経線維に逆行性に取り込まれ、細胞体まで運ばれる光増感色素retrobeadsを光増感色素であるchlorin e6に共有結合させて作製した。ラット大脳皮質への本薬剤投与後1-4週間後に反対側大脳皮質組織へのレーザー照射を施行したところ、数時間でレーザー照射野内の多くのニューロンが脱落した。BrdU投与実験と本細胞のマーカーに対する免疫組織化学実験により、脱落ニューロンの紬胞体周辺に存在するPerineuronal germinal cellが活発に分裂・増殖することがわかった。Perineuronal germinal cellのBrdUラベル率はレーザー照射後1日がピークであった。生理条件下ではPerineuronal germinal cellはその多くが自己複製とオリゴデンドロサイトへ分化する。しかし、ニューロン脱落領域周辺では、アストロサイトへの分化が促進し、さらに脱分極波刺激により、その増殖も促進されることが明らかとなった。本細胞群は中枢神経組織の再生において、重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)