2007 Fiscal Year Annual Research Report
体内時計の中枢における二振動体の光入力制御機構の形態学的解明
Project/Area Number |
18590198
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
長野 護 Kinki University, 医学部, 講師 (80155960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重吉 康史 近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
藤岡 厚子 近畿大学, 医学部, 准教授 (30077664)
早坂 直人 近畿大学, 医学部, 講師 (80368290)
足立 明人 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20351588)
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Keywords | 視交叉上核 / Per1 / Per2 / 光同調 / 日長時間 / 概日リズム |
Research Abstract |
哺乳類では、主観的夜の光照射によって、視交叉上核の腹外側部(コア)にPer1、Per2が誘導され、それによって、位相変位が生じると考えられている。一方、ラットの行動を検索すると、主観的夜の一回の光照射の影響は数日間におよび、位相変位が完了するまでに数日を要する。そこで、主観的夜の一回の光照射の位相変位に対する影響をin situ hybridization法を用いて検討した。そして、恒常暗条件においては光照射によって、腹外側部が振動体として働くようになり、その位相情報が数日間にわたって背内側部に伝達され最終的に位相変位が達成されることが示唆される結果を得た。 次に、体内時計の中枢である視交叉上核において、Per1, Per2遺伝子発現の日周変動における日長時間の影響をin situ hybridirzation法を用いて検討した。その結果、長日明暗サイクル(明期16時間、暗期8時間)で飼育したラット視交叉上核において、Per1, Per2遺伝子発現周期に網膜からの直接入力がある腹外側部領域と投射のない背内側部領域との脱同調が認められた。これらのことから、日長時間の変化は、網膜からの直接入力がない背内側部領域においても影響を及ぼすことが明らかとなった。 また、光照射を体内時計のある位相で行うと概日リズムが失われる事がある。実際の生物でどのような仕組みによって概日リズムが失われるのかを細胞およびラットを用いて検討した。そして、全体としての概日リズムの消失が個々の細胞時計の脱同期によることを証明した。また、ラットで特異点と思われる時間帯に光を照射し、その後の時計の振る舞いをPer1, Per2で位相をモニターすることによって、視交叉上核の概日リズムの振幅が低下することを証明した。
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Research Products
(4 results)