2006 Fiscal Year Annual Research Report
重炭酸イオン分泌上皮におけるTRPM6/7様チャネルの新たな生理機能解明に向けて
Project/Area Number |
18590199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 透 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (70249960)
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Keywords | ウシ耳下腺 / 重炭酸イオン分泌 / 陽イオンチャネル |
Research Abstract |
TRPM (Transient Receptor Potential Melastatin)サブファミリーに属するTRPM6およびTRPM7はその分子内にキナーゼドメインを持つ特徴的な陽イオンチャネルであり、Ca^<2+>やMg^<2+>などの2価陽イオンの細胞内流入を介しさまざまな生理学的役割を果たしていると考えられている。また、強制発現させたTRPM6およびTRPM7の電気生理学的性質は似ており、特にTRPM7は幾つかの細胞で内因性に発現しているMIC(Mg^<2+>-Inhibited Cation)チャネルの分子基盤に関与する可能性が示唆されている。本研究では高濃度の重炭酸イオン(HCO_3-)を含む大量の唾液を持続的に分泌する能力を持つウシ耳下腺を実験材料とし、HCO_3-分泌上皮におけるTRPM6/7様チャネルの生理学的役割および調節機構に関する基礎的研究を目指している。平成18年度はウシ耳下腺腺房細胞にホールセルパッチクランプ法を適用し、MIC様コンダクタンスの有無について調べた。ピペット内溶液および細胞外液としてそれぞれCs-glutamateおよびNa-glutamateに富む溶液を使用しK^+および陰イオンチャネル電流を抑制する条件で実験を行った。-60または-100mVから+100mVまでのランプまたはステップパルスプロトコールを用いた膜電位固定条件下で膜電流の性質を調べたところ、MIC様コンダクタンスの存在が確認された。さらにRT-PCR法によりウシ耳下腺におけるTRPM7のmRNAの存在が確認された。今後、ウシ耳下腺由来TRPM7をクローニングし、TRPM7を強制発現させたときに観察される膜電流とウシ耳下腺腺房細胞で認められるMIC様電流の性質を比較し、MIC様チャネルの分子基盤および細胞内調節機構についても調べたいと考えている。
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