2007 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン分泌を調節するスフィンゴシン1フォスフェート受容体機構の解明
Project/Area Number |
18590200
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
菅 世智子 Hirosaki University, 生涯学習教育研究センター, 准教授 (80003408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 浩哉 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00374819)
小川 吉司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30281926)
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Keywords | 膵ラ島β細胞 / S1P_1受容体 / インスリン分泌 / Gi / CAMP / ERK |
Research Abstract |
膵ラ島β-細胞のインスリン分泌については、グルコースによる分泌調節機構を基本としている。今回われわれは、この分野ではほとんど未知のS1P_1受容体に焦点をあてて、この受容体の作用をインスリンの生成からグルコース刺激による分泌まで、すべてのプロセスについて調べ、その作用機構を明確にするために、ラ島および膵β細胞の形態解析およびホルモン含量の解析とβ細胞S1P_1受容体反応の解析をおこなった。 その結果、以下の結果が判明した。 1. ラ島のグルカゴン、インスリン、ソマトスタチン、膵ペプチドの免疫組織化学染色を各抗体を用いて実施、解析を行った結果、有意差がなかった。 2. 電子顕微鏡による膵β細胞の細胞内小器官の測定を行った結果、インスリン顆粒が膜にドッキングする数には差はなかった。 3. SPH-1-PはS1P_1受容体に結合すると、ERKを活性化することが知られている。そこで、ラ島溶解標にanti-phospho-ERKを作用させ、ウエスタンブロット解析してERKのリン酸化を測定したところ、S1P_1の刺激に対してERKのリン酸化が減弱していた。 4. S1P_1受容体はGiタンパク質を介して作用することが考えられる。そこでCAMP測定を行ったところGLP-1は刺激に対してS1P_lノックアウトマウスのラ島においてはCAMP産生の上昇が見られた。 これらの結果から、以下のことが結論される。 1. In vivoにおいてはS1P_1受容体はラ島細胞の割合には影響を与えなかった。 2. 膵ラ島β細胞においてはGiたんぱく質と共存していることが確認された。
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