2006 Fiscal Year Annual Research Report
摂食時刻による体内時計のリセット-絶食後摂食によるサーカディアンリズムへの影響
Project/Area Number |
18590215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安倍 博 University of Fukui, 医学部, 教授 (80201896)
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Keywords | 生体リズム / 体内時計 / 行動 / 摂食 / 絶食 / 同調 / 視交叉上核 / 脳 |
Research Abstract |
近交系マウスのCS系は,周期的制限給餌条件(periodic restricted feeding, RF)下での行動および脳の時計遺伝子発現リズムから,体内時計中枢であるSCN振動体がRFに同調する.本研究では,CS系マウスのリズムRF同調について,体内時計が摂食刺激によってリセットされることを,絶食後の摂食刺激を与えることにより行動リズムおよび脳の時計遺伝子発現の受ける変化から検討することを目的とした.実験は統制群としてC57BL/6J系マウスを用いてCS系と比較することにより行う.今年度の成果は以下の通りである. 1.福井大学医学部でのマウス生体リズム実験室環境を整えた.マウス飼育環境を整備し,マウス行動のサーカディアンリズム測定のための実験装置,in situ hybridizationや免疫組織化学法などの実験器具・装置を整備した.マウスの飼育および行動リズム計測実験は,実験動物の適正管理が可能な福井大学総合実験支援センター・生物資源部門で行えるように整備した. 2.CS系マウスを,北海道大学医学部時間生理学分野より分与し,福井大学医学部で飼育・繁殖させる体制を整えた. 3.C57BL/6J系マウスの自由摂食条件における回転輪走行活動のリズムを明暗サイクル下および恒常暗条件下で測定し,明暗サイクル同調リズムと恒常暗条件でのフリーランリズムを測定した. 4.C57BL/6J系マウスの自由摂食条件における摂食量および体重を1週間測定し,C57BL/6J系の摂食特性を確かめた. 5.C57BL/6J系マウスで,24時間絶食後の摂食による行動リズムの影響を,明暗サイクルから恒常暗条件に移行した直後の3点の位相(ZT2, ZT6, ZT18)で調べた.その結果,いずれの位相でも,絶食後の摂食によりリズムの位相に変化は見られず,これらの位相ではC57BL/6J系では絶食後の摂食刺激により体内時計がリセットされないことが分かった.
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