2006 Fiscal Year Annual Research Report
受容体エンドサイトーシス関連蛋白質CIN85の機能欠失による行動量変化の解析
Project/Area Number |
18590216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
下川 哲昭 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90235680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉淵 典之 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80234681)
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Keywords | CIN85 / 行動解析 / CIN85ノックアウトマウス / 多動 / ドーパミン システム / 受容体エンドサイトーシス / Scaffold protein / 記憶・学習 |
Research Abstract |
1.CIN85ノックアウトマウスの多動の解析 CIN85ノックアウトマウスは行動学的に「多動」示す。この分子メカニズムについて解析を行った。その結果明らかになったことを以下に記す。 (1)CIN85はマウス脳内において大脳皮質、海馬、線条体に強い発現が認められた。 (2)CIN85ノックアウトマウスは野生型に比べて、線条体におけるドーパミン含量が有意(160%)に増加していた。 (3)CIN85はScaffold proteinであるPSD-95や精神疾患に関係のあるOligophrenin-1と中枢神経系後シナプスのDendric spineに共局在している。 (4)CIN85はSynaptosomeでEndophilinと結合している。 以上から、CIN85ノックアウトマウスの多動は脳内線条体の後シナプスにおけるドーパミン受容体の異常によるドーパミン刺激の過剰によるものと推察される。 II.記憶・学習におけるCIN85ノックアウトマウスの解析 CIN85はマウス脳内において海馬に強い発現が認められたため、記憶・学習におけるCIN85の役割について行動学的解析を行った。Social Discrimination Test, Object Recognition TestのいずれにでもCIN85はマウスは野生型マウスと有意な差は認められなかった。一方、Fear Potentiated Startleによって恐怖条件付け後の記憶(24時間後)について解析したところ、野生型に比べて記憶能力が有意に高かった。このことは、CIN85の海馬での記憶形成や維持に関わっていることを強く示唆するものである。 これらの実験結果については現在投稿論文を作成中である。
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