2007 Fiscal Year Annual Research Report
受容体エンドサイトーシス関連蛋白質CIN85の機能欠失による行動量変化の解析
Project/Area Number |
18590216
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
下川 哲昭 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90235680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉淵 典之 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80234681)
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Keywords | CIN85 / 行動量 / ドーパミン系 / シナプス / エンドサイトーシス / 記憶 |
Research Abstract |
I.CIN85ノックアウトマウスの多動の解析:CIN85ノックアウトマウスは行動学的に「多動」示す。この分子メカニズムについて解析を行い今年度明らかになった点を以下に記す。 (1)CIN85ノックアウトマウスと野生型マウスの線条体初代培養においてドーパミン刺激後,ドーパミン受容体の細胞内へのインターナリゼーションは野生型に比べCIN85ノックアウトマウスでは有意に減少していた。 (2)トリチウム標識したドーパミン受容体アンタゴニストである[^3H]Spiperoneを用いた解析においてもドーパミン受容体の細胞内へのインターナリゼーションは野生型に比べCIN85ノックアウトマウスでは有意に減少していた。 (3)CIN85はSynaptosomeでEndophilinやDynaminなどのエンドサイトーシスに関する制御タンパク質と結合している。 以上から,CIN85ノックアウトマウスの多動は脳内線条体のドーパミン系の異常によるものと推察される。 II.記憶、学習におけるCIN85ノックアウトマウスの解析:CIN85はマウス脳内において海馬に強い発現が認められたため,記憶・学習におけるCIN85の役割について行動学的解析を行った。Fear Potentiated Startle Testによって恐怖条件付け後の記憶(24時間後)について解析したところ,野生型に比べて記憶能力が有意に高かった。Social Discrimination Testでは差はなかった。
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