2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性食品成分に対する消化管応答の分子基盤に関する研究
Project/Area Number |
18590220
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
合田 敏尚 University of Shizuoka, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 和樹 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80423838)
|
Keywords | 遺伝子 / 転写調節 / 栄養学 / 栄養素シグナル / クロマチン / ヒストンコード / 小腸 |
Research Abstract |
1.小腸糖質消化吸収関連遺伝子の転写調節機構の解析と糖質シグナルとの関連:マウスに高糖質食あるいは低糖質食を7日間摂取させたところ、高糖質食により空腸におけるスクラーゼ・イソマルターゼ(SI)遺伝子の発現が増大するのと平行して、SI遺伝子上流域におけるアセチル化ヒストン(H3、H4)および転写調節因子(Cdx-2、HNF-1)の結合が高まっていた。一方、低糖質食を摂取させたマウスにフルクトース水溶液を経口投与したところ、6時間以内にSIの遺伝子上流域に結合するヒストンH3およびH4のアセチル化が増大し、これらの遺伝子発現が急激に増大した。ラット小腸の絨毛細胞におけるSIの遺伝子発現は、吸収細胞が絨毛の基部から中央部に移動する過程で急激に増大しており、この絨毛部位では、SI遺伝子の転写制御領域において、ヒストンH3の9番目のリジンのメチル化の低下とアセチル化の増大とともに、Cdx-2の結合が増大していた。また、ラットの離乳期にSI遺伝子が急激に誘導される時にも、SIの遺伝子上流域に結合するヒストンH3およびH4のアセチル化が増大していた。 2.小腸組織における脂肪酸シグナルによる標的遺伝子発現調節機構の解析:離乳直後のラットに各種の脂肪酸を4日間投与したところ、カプリル酸およびオレイン酸によって、空腸における核内受容体PPARαと転写共役因子CBP/p300の遺伝子発現が増大し、これと平行してPPARαの標的遺伝子L-FABPとCRBPIIの遺伝子発現が増大した。高脂肪食摂取に伴うラット空腸のCRBPII遺伝子発現の初期の増大は、吸収細胞が絨毛の基部から中央部に移動する過程に限局していた。ラットの出生直後にCRBPII遺伝子が急激に誘導される時には、CRBPIIの遺伝子上流域のヒストンH3、H4のアセチル化が増大し、RXRα、CBP、p300の結合も増大していた。
|
Research Products
(19 results)