2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590223
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
尾仲 達史 Jichi Medical University, 医学部, 教授 (90177254)
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Keywords | 摂食 / 肥満 / 延髄 / 弧束路核 / コレシストキニン / プロクラチン放出ペプチド |
Research Abstract |
プロラクチン放出ペプチドは延髄弧束路核のノルアドレナリンニューロンで合成され、ノルアドレナリンと伴に刺激により視床下部に放出されると考えられている。末梢の満腹信号であるコレシストキニンを末梢に投与すると弧束路核のノルアドレナリンニューロンが活性化されることを申請者は見出している。本研究の目的は、生理的な刺激である摂食することにより、弧束路核のプロラクチン放出ペプチドニューロンが活性化されるかどうかを明らかにし、プロラクチン放出ペプチドが脳内の満腹シグナルとして働いているという仮説を証明することであった。 延髄のプロラクチン放出ペプチドニューロンが摂食することにより活性化されることを見出した。また、プロラクチン放出ペプチドに対する中和抗体を脳室内投与すると、一回摂食量が増え摂食頻度は不変であること、その結果、摂食量が増加することを見出した。さらに、プロラクチン放出ペプチド遺伝子が欠損した動物でも、同様に、一回摂食量が増え摂食頻度は不変であること、その結果、摂食量が増加し、肥満することが見出された。正常動物では、末梢の満腹シグナルであるコレシストキニンを投与すると、摂食抑制作用が観察されるが、プロラクチン放出ペプチドの遺伝子が欠損した動物ではこのコレシストキニンの摂食抑制効果が阻害されていることを明らかにした。従ってプロラクチン放出ペプチドニューロンは脳内の満腹シグナルを伝えていることが示唆された。さらに、プロラクチン放出ペプチド投与で不安行動が減少し、中和抗体投与で不安行動が増大することを見出した。従って、内因性プロラクチン放出ペプチドが抗不安に作用していることが示唆された。
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