2006 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進モデルマウスP8系の離乳期からの加齢速度促進機構の解明に向けた研究
Project/Area Number |
18590224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高橋 良哉 東邦大学, 薬学部, 助教授 (40197190)
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Keywords | 老化促進モデルマウス / 老化 / 離乳 / プロテオーム / 肝臓 |
Research Abstract |
老化促進モデルマウスP8系の遺伝子発現の加齢変化促進現象は離乳期(20〜30日齢)を過ぎたころからはじまる。本年度は,P8系マウスの加齢促進に関わる因子(タンパク質)を明らかにする研究の一環としてP8系マウスと正常老化型R1系マウスの離乳前後(10、21、35日齢)の脳、腎臓、肝臓におけるタンパク質の量的・質的変化を蛍光標識二次元ディファレンス電気泳動法(2D-DIGE)により解析した。その結果、肝臓において、日齢にかかわらず両系統で等電点の異なる分子量約14kDaのタンパク質が存在することを見出した。ゲルから両系統のタンパク質を切り出し、トリプシン消化後、得られたペプチドフラグメントを質量分析装置(TOF-MASS)で解析し同定を行った(ペプチドフラグメント法)。その結果、P8系とR1系で等電点の異なるタンパク質はどちらも肝臓型脂肪酸結合タンパク質(L-FABP)であった。次に、L-FABP等電点の系統差の原因を調べるためにcDNAクローニングを行い、全タンパク質コード領域の塩基配列を調べ、タンパク質の一次構造を決定した。脂肪酸結合部位近傍に1塩基置換に基づく1アミノ酸残基の置換がR1系に認められ、この違いは両系統のL-FABPの等電点の差をほぼ反映していた。今後、L-FABPの1アミノ酸残基置換が脂肪酸結合能にどのような影響を与えているかを調べるとともに脂質代謝や老化促進との関わりを明らかにして行く予定である。なお、両系統の調べた全ての組織で等電点に差が見られるタンパク質は少なくとも2種類は存在し、これらはミトコンドリアタンパク質である可能性があることがわかった。現在、これらのタンパク質の同定を進めている。
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Research Products
(3 results)