2008 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進モデルマウスP8系の離乳期からの加齢速度促進機構の解明に向けた研究
Project/Area Number |
18590224
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高橋 良哉 Toho University, 薬学部, 教授 (40197190)
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Keywords | 老化促進モデルマウス / 老化 / 離乳 / プロテオーム / 肝臓 |
Research Abstract |
老化促進モデルマウス(SAM)P8系の離乳期にはじまる促進老化現象の原因を探るために離乳前後の老化促進型P8系と正常老化型R1系の様々な組織タンパク質の発現の違いを解析していたところ、肝臓型脂肪酸結合タンパク質(L-FABP)の脂肪酸結合部位の近くの1アミノ酸残基に系統差があることがわかった。そこで本年度はL-FABP構造の系統差が老化促進や加齢に伴う肥満などに何らかの影響を与えているものと考え、高脂肪食が両系統の成長や脂肪蓄積に及ぼす影響などを調べた。本実験には、促進老化型(SAMP8)、正常老化型(SAMR1)、糖尿病モデル(KKAy)および野生型(C57BL/6J,DBA2)の5系統のマウスを用いた。15%ラードをコントロール餌(CRF1)に添加した高脂肪食を約12週間与え、体重および各組織重量、血清パラメータなどを調べた。その結果、高脂肪食による成長に系統差が認められ、SAMP8が最も高い体重増加を示した。血糖値はSAMP8で高脂肪食摂食により著しく上昇したが、血清インスリンレベルはKKAyとは異なり相対的に低い状態であった。また、脂肪蓄積に関しては、SAMP8は皮下脂肪が、SAMR1は内臓脂肪が多い傾向にあった。さらに、SAMP8では顕著な肝重量増加を伴った肝脂肪蓄積が認められた。以上のように、本研究により老化促進型SAMP8系マウスは高脂肪餌に対する感受性が高い系統であり、老化や老化関連疾患の基礎研究に重要なモデル動物となり得る可能性が高いことが示された。
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Research Products
(3 results)