2006 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣由来プロジェスチンによるゴナドトロピン放出ホルモンニューロンの機能調節
Project/Area Number |
18590226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90143239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (70094307)
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Keywords | allopregnanolone / THDOC / GnRHニューロン / GABA / GABAA受容体r / パッチクランプ法 / プロジェスチン |
Research Abstract |
成熟ラットのGnRHニュ-ロンに発現するGABAA受容体の機能とプロジェスチンによる修飾を解析した。GnRH-EGFPトランスジェニックラットから分散培養GnRHニューロンを作成し、グラミシジン穿孔パッチクランプ法によりGABAA受容体電流を記録した。GABAA受容体電流の逆転電位は、GnRHニュ-ロンでは一20mV前後の値をしめし、通常の静止膜電位よりも脱分極側にあった。一方、非GnRHニューロンと考えられるEGFPを発現しない細胞では逆転電位が-40mVから-80mVの範囲にあり、多くの細胞で静止膜電位よりも過分極側にあった。つぎにGnRHニューロンのGABAA受容体電流に対するプロジェスチンの効果を解析した。アロプレグナノロンはGABAA受容体電流を、10nMで35%、100nMで67%増強した。THDOCもほぼ同様に10nMで15%、100nMで46%増強した。GABAA受容体にはシナプス下膜に発現するものと、シナプス外に発現するものが知られている。プロジェスチンの作用は後者のほうが強いと考えられている。GnRHニューロンに発現するGABAA受容体はどちらのタイプかを明らかにする目的で、両者を区別するGABAA受容体拮抗薬gabazineの抑制効果を調べた。シナプス下膜GABAA受容体を特異的に抑制する低濃度gabazine(500nM)による抑制は40%であった。すなわち、GABAA受容体電流の60%はシナプス外受容体チャネルを介するものと考えられる。現在、単一細胞RT-PCR法を用いて、GnRHニュ-ロンに発現するGABAA受容体のサブユニット構成の解析を進めている。以上の結果から、成熟ラットのGnRHニューロンはGABAA受容体を発現し、その活性化は細胞を脱分極すると考えられる。また、その脱分極はプロジェスチンにより修飾さる。このような機構を介して、GABAとプロジェスチンはGnRHニューロンの活動を調節していると考えられる。
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