2007 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣由来プロジェスチンによるゴナドトロピン放出ホルモンニューロンの機能調節
Project/Area Number |
18590226
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
加藤 昌克 Nippon Medical School, 医学部, 准教授 (90143239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70094307)
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Keywords | GnRHニューロン / K(Ca)チャネル / A型GABA受容体 / プロジェスチン / allopregnanolone / THDOC / パッチクランプ / multi-cell RT-PCR |
Research Abstract |
GnRHニューロンに発現する膜電位・カルシウム活性型カリウムチャネルとA-型γ-アミノ酪酸受容体(GABA_AR)機能を解析した。成熟GnRH-EGFPトランスジェニックラットから麻酔下に脳を摘出し、酵素処理で分散し、カバーグラス上で一晩培養し、実験に供した。EGFP蛍光を指標にGnRHニューロンを同定し、穿孔パッチクランプ法で膜電位・膜電流を記録解析した。ラットGnRHニューロンは既報のSK電流(Kato et al., 2006)に加えてBK電流を示した(Hiraizumi et al., 2008)。BK電流は60mVパルスで活性化される外向きカリウム電流の30%強を占め、BKチャネル阻害剤であるカリブドトキシン(1μM)で60%抑制された。60mVパルスで活性化される電流は、SKチャネル阻害剤アパミンでは抑制されず、またラットGnRHニューロンはA電流を示さないことから、BK電流以外は遅延整流性カリウム電流であると考えられる。次にBKチャネル活性化に関与するカルシウムチャネルを解析した結果、R型とL型カルシウムチャネルの関与が大きいことが判明した。これらに性差、性周期による変動は認められなかった。multi-cell RT-PCR法でBKチャネルサブユニットの発現を調べた。雌雄ともにBKチャネルα,β1,β2,β4を発現していることが判明した。次にGABA_A受容体電流の解析を行った。逆転電位は、GnRHニューロンでは-30mV前後であり、未同定ニューロンは-57mV前後であった。また、GABA_A受容体電流は、ニューロステロイドのアロプレグナノロンとTHDOCで50-150%増強された。multi-cell RT-PCRの結果は、ラットGnRHニューロンのGABA_A受容体がα2,β3,γ1あるいはγ2サブユニットで構成されることを示唆した。
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