2008 Fiscal Year Annual Research Report
視索前野GABA感受性かつGABA作動性ニューロンによる熱産生調節機構
Project/Area Number |
18590228
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
大坂 寿雅 National Institute of Health and Nutrition, 健康増進プログラム, 上級研究員 (30152101)
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Keywords | GABA / 非ふるえ熱産生 / 脳 / 酸素消費率 / 発熱 / プロスグランジンE2 |
Research Abstract |
ウレタン・クロラロース麻酔したラットに三連ガラスピペットを用いて圧微量注入法により発熱の脳内メディエークであるPGE_2、抑制性伝達物質であるGABAのGABA_A受容体作動薬であるムシモール、拮抗薬であるbicucullineとgabazineを20-100nl局所投与する下記の実験を行った。終板器官周囲部にPGE_2を投与すると熱産生、頻脈、体温上昇、皮膚血管収縮反応が誘起された。一方、終板器官よりも尾側の視索前野にbicucullineやgabazineを投与すると、それ自体では軽い徐脈以外の反応は誘起しなかったが、PGE_2投与による上記の発熱反応がすべて消失した。視索前野から発熱を抑制する仕組みが内在しているのだが、常時はGABAによりこの仕組みが機能しないようになっていると考えられた。次に、終板器官周囲部にbicucullineやgabazineを投与するとPGE_2を投与した場合と同様な熱産生、頻脈、体温上昇、皮膚血管収縮反応が誘起された。ムシモールを投与した場合には投与部位によって二種類の反応は誘起された。ひとつの場合には視索前野に投与したときのように熱産生、頻脈、体温上昇反応が誘起されたが、これらの反応の大きさは視索前野投与の場合より小さかった。もう一つの場合はムシモールそれ自体では何の反応も誘起しなかったが、前投与しておくとPGE_2投与によって誘起される反応が全てブロックされた。終板器官周囲には熱産生の促進と抑制に関わる二つのGABA感受性機構があることが分かった。この部位のGABA感受性の熱産生抑制機構が抑制されることがPGE_2発熱の機構の少なくとも一部である可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)