2007 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経作用薬の創薬スクリーニング系としての血液脳関門再構成系病態モデルの確立
Project/Area Number |
18590236
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丹羽 正美 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20136641)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 邦彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総医歯薬学総合研究科, 講師 (80380955)
中川 慎介 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10404211)
|
Keywords | 血液脳関門 / 脳虚血 / プリオン病 / タイトジャンクション / 血液脳関門病態モデル / 中枢神経作用薬 |
Research Abstract |
(1)我々が考案したBBBキット(特開2007-166915、特願2007-54326)へ、以下の個別病態特異的プローベを作用させ、BBB病態モデルの完成を目指した。i-a)一過性虚血再潅流負荷モデル、i-b)虚血再還流ヒスタミン負荷モデル:脳浮腫モデルとして、新たに10μMヒスタミンを負荷した。ii)プリオンタンパクフラグメントPrP(106-126)によるプリオン病のBBB病態モデル。iii)Alzheimer病によるBBB病態モデル:放射性標識(^<125>I)および蛍光標識amyIoid-β(1-40)と^<125>I-後期糖化反応生成物(AGE)-BSAを負荷してAlzheimer病BBB病態モデルを作成した。iv)糖尿病BBB病態モデル:30mMのグルコース添加24時間前にlow glucose DMEMの基礎培地を用いたRBEC mediumに交換することで高血糖下のBBB障害を再現した。 (2)BBB病態モデルにおける薬剤の脳内移行性と血液脳関門機能(脳内移行性についてのBBB第2段階スクリーニング)。i-a)一過性虚血再潅流負荷モデルでの脳浮腫治療薬エダラボンedaravone(虚血性神経細胞死阻止薬)はBBB機能障害を阻止するが、病態下での脳内への移行は制限されたままであることが判明した(ある腫の汲み出しポンプの基質の可能性がある)。i-b)脳浮腫BBBモデルで、脳梗塞再発予防作用のあるシロスタゾールには、ヒスタミン誘発BBBタイトジャンクション障害を軽減することが明らかになった。P-糖タンパク質の機能を亢進させるデータが得られ、病態下での脳内移行性は小さいことが宗唆された。ii)プリオン病のBBB病態モデルを用いて、プリオン病治療薬侯補pentosan polysulfate脳内移行性の検証をしたところ、移行性の著明な充進が観察された。
|
Research Products
(4 results)