2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経機能障害をもたらすAMPA受容体サブユニットタンパク異常の検討
Project/Area Number |
18590239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
鈴木 岳之 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (90187740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 匡彦 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (90165697)
郭 伸 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40160981)
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Keywords | グルタミン酸 / 筋萎縮性側索硬化症 / AMPA受容体 / カルシウム / 神経毒性 |
Research Abstract |
グルタミン酸による興奮性神経細胞毒性発現の生理的機序を解明するため、培養細胞系においてグルタミン酸AMPA受容体のサブユニットを定量的に強制発現させる細胞実験系の開発を試みた。その結果、HEK293細胞に定量的に各種グルタミン酸受容体サブユニットタンパクcDNAを導入することにより各サブユニットタンパクの発現量をコントロールすることを可能とした。これは、細胞レベルで単なるタンパクの発現量だけではなく、実際の機能の変動を指標とすることができるため、より生理的条件に近い現象の解析が可能となる。これにより、AMPA受容体が形成されるときに、どのようなカイネティックスでAMPA受容体サブユニットタンパクが会合するのかを定量的に解析することが可能となった。その結果の解析により、グルタミン酸AMPA受容体サブユニットは単純なタンパク発現量に依存した確率過程によって会合が決定するのではなく、GluR2サブユニットを含む表現系が高確率で生じる可能性を明らかにした。 一方、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の脊髄前角ニューロン(運動神経)では、GluR2のRNA編集効率が低下しているという結果を予備実験的に得ている。このことと、前述のAMPA受容体会合確率における、GluR2サブユニット含有表現系発現の優先性をあわせて考えることにより、GluR2受容体サブユニットにRNA編集レベルでの異常が生じた場合、想定されるよりも高い確率でカルシウム透過性AMPA受容体が生じ、その結果カルシウム透過性の異常充進による神経細胞障害が生じている可能性を明らかにした。
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Research Products
(1 results)