2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジンD2による色素細胞の分化・増殖制御機構
Project/Area Number |
18590254
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 和久 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30311559)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70206142)
|
Keywords | MITF / Prostaglandin D synthase / メラノサイト / 転写因子 / Prostaglandin D2 / メラノーマ / がん抑制遺伝子 / 増殖 |
Research Abstract |
メラノサイトや網膜色素上皮細胞(RPE)の分化に必須な転写因子MITFの変異マウスは、メラノサイトの欠如やRPEの分化異常によって、白い体毛、難聴そして小眼球症を呈する。そこで我々はWild typeとMITF変異マウスの皮膚との間でDNA microarray法を行い、新規メラノサイトマーカーとしてリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)を固定した。興味深いことに、ヒトメラノサイトで発現するL-PGDSが、ヒトメラノーマでは消失していた。したがって我々は、L-PGDSが"がん抑制遺伝子"であると想定し、その仮説の検討を行った。 まず多くの種類のヒトメラノーマを解析し、L-PGDSの発現が抑制されることを明らかにした。そしてL-PGDSが産生するプロスタグランジンD2が様々なヒトメラノーマの増殖を抑制することを示した。これは、L-PGDSが"がん抑制遺伝子"である仮説を支持する。さらに興味深いことに、この増殖抑制は既知のプロスタグランジンD2受容体を介していなかった。 また、ヒト正常メラノサイトにおいてL-PGDS遺伝子の転写がMITFによって調節されることを示した。しかしヒトメラノーマにおいては、がん遺伝子の活性化によってL-PGDS遺伝子の転写が抑制されることを明らかにしつつある。 そこでL-PGDSやMITFの知見をさらに追求し、メラノサイトやメラノーマの分化・増殖機構を明らかにしたい。
|
Research Products
(2 results)