2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しいペア型受容体によるマクロファージ/樹状細胞機能の正と負の制御
Project/Area Number |
18590256
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岡澤 秀樹 Gunma University, 生体調節研究所, 助教 (80334126)
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Keywords | 樹状細胞 / マクロファージ / SHPS-1 |
Research Abstract |
申請者はイムノグロブリンスーパーファミリーに属する受容体型分子SHPS-1が,その細胞外リガンドであるCD47と細胞間シグナル伝達系を構成し細胞運動や貪食を負に制御する機構であることを明らかにしてきている。SHPS-1は,マクロファージや樹状細胞に高発現を認め,細胞質領域にチロシンリン酸化部位をもち,細胞質型チロシンポスファターゼSHP-1/SHP-2と結合し細胞内にシグナルを伝えると考えられる。 申請者は,昨年度,SHPS-1を介したマクロファージ貪食抑制には,SHPS-1の細胞内領域のチロシンリン酸化だけでなく,細胞内領域全体が必要であること,さらにはCD47との相互作用に依存しないSHPS-1による貪食抑制機構が存在することを見いだしている。本年度の研究においては,SHPS-1のノックアウトマウスでは,実験的脳脊髄炎(EAE)の発症が抑制されることを見いだした。EAEの誘導に用いたMOGペプチドに対するTcellの反応性増殖とインターフェロンγなどのサイトカイン分泌が,SHPS-1ノックアウトマウスで低下していた。また脾臓由来樹状細胞からサイトカイン分泌の低下を認めた。また,SHPS-1の変異体を発現させた培養マクロファージ細胞RAW細胞を用いた検討により,LPSやpoly(I:C)によるToll-like receptor刺激に対してSHPS-1細胞内変異体発現により,TLR3またはTLR4を介した炎症性サイトカイン分泌が亢進した。またその際,NFκBの活性化を認めた。以上のことからSHPS-1は,TLR4またはTLR3依存性のサイトカイン分泌に対しては抑制的に働くと考えられた。
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