2007 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンキナーゼによる眼、脳神経系、腎臓及び心臓の発生制御の分子機構の解析
Project/Area Number |
18590258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 典子 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任准教授 (10251448)
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Keywords | 幹細胞 / 神経 / 神経堤 / FGF / アダプター分子 |
Research Abstract |
1.様々な臓器組織の発生におけるFRS2alpha-Shp2 pathwayの解析 Shp2結合部位欠失FRS2alpha変異マウスは、心奇形を始めとするDeGeorge症候群と一致する表現形を持ち、神経堤細胞の異常が原因であることがわかっていた。本年度さらにERKの活性化が落ちていることが明らかになり、DeGeorge症候群の病態として、FRS2alpha-Shp2-ERK pathwayの役割が明らかになった。 また、Shp2結合部位欠失FRS2alpha変異マウスは、涙腺の発育が悪いことを見いだしたので、この解析を行っているころである。 2.神経幹細胞の未分化性維持の分子機構の解析 FRS2alpha分子が、神経幹細胞の培養系で未分化性を維持することを見いだしていたが。本年度、マウス個体レベルでも FRS2alpha分子が、神経幹細胞の培養系で未分化性を維持することを見いだした。さらに、その分子機構を詳細に調べたところ、FGF刺激によって、FRS2alphaの下流で、Hes1遺伝子の転写が活性化することにより、Hes1分子が十分量作られることが重要であることが明らかになった。FGFは、ヒトES細胞やips細胞さらには癌幹細胞を始めとする様々な幹細胞の培養系の多くで使用されるが、何故FGFが培養に必要なのか、その普遍的な分子機構が明らかになった。この知見は、様々な幹細胞を再生医療に実用化して行く上で、大変有用である。
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[Journal Article] EGFR phosphorylation-dependent formation of cell-cell contacts by Ras/Erks cascade inh2007
Author(s)
Kang, E.S., Oh, M.A., Lee, S.A., Kim, T.Y., Kim, S.H., Gotoh, N., Kim, Y.N. and Lee, J.W.
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Journal Title
Biochim. Biophys. Acta. 1773
Pages: 833-843
Peer Reviewed
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