2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチリガンド受容体RAGEによる細胞内シグナル生成機構の解明
Project/Area Number |
18590260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40303268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
山本 靖彦 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (20313637)
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Keywords | RAGE / AGE / チロシンリン酸化 / 共受容体 |
Research Abstract |
RAGEの細胞内シグナル生成に関わるチロシンリン酸化シグナル分子を同定することを目的とし、研究実施計画に基づいて研究を遂行した結果、以下の成果を得た。 1.RAGE依存性チロシンリン酸化タンパクの同定 RAGEを恒常的に過剰発現するように遺伝子導入した血管内皮系培養細胞株ECVを用い、RAGE-リガンド結合依存性にチロシンリン酸化が亢進するタンパクの分子量を特定し、対応すると思われるタンパク質をマススペクトロメトリーで同定した。この研究により、これまでRAGEの細胎内情報伝達系との関連が知られていなかった複数のシグナル伝達分子を同定した。 2.クロスリンカーを用いた共役受容体の検索 RAGEリガンド刺激前/後にRAGE過剰発現ECVの表面タンパクを細胞膜非透過性クロスリンカーによってクロスリンクし、細胞溶解液から抗RAGE抗体によりRAGE一共役タンパク複合体を免疫沈降した。さらに還元条件下でクロスリンカー内のジスルフィド結合を切断後、SDS-PAGEにより共役タンパクの同定を試みた。この研究により、複数の細胞表面タンパクがRAGEと複合体を形成していること、さらにそのいくつかはチロシンリン酸化タンパクであることを明らかにした。 3.関連するチロシンキナーゼの検索 既知の受容体型チロシンキナーゼのリン酸化の程度を検出できる抗体アレイを用い、上記のRAGE過剰発現ECV、細胞内ドメインを欠失したドミナントネガティブRAGE過剰発現ECV、およびヒト微小血管内皮初代培養細胎の3種の細胞についてRAGEリガンド刺激/非刺激時の既知受容体型チロシンキナーゼのリン酸化を比較した。この研究により、Ephrinファミリーに属する受容体とTieファミリーに属する一部の受容体のリン酸化が、リガンド刺激、あるいは過剰発現しているRAGEの細胞内ドメインの有無によって変化することを明らかにした。
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Research Products
(12 results)