2007 Fiscal Year Annual Research Report
Rho標的蛋白質ROCK,mDia間の機能的相互作用の解明
Project/Area Number |
18590262
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 敏理 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (70293876)
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Keywords | Rho / mDia / ROCK / 細胞運動 / 細胞接着 / 血管形成 |
Research Abstract |
Rho標的蛋白質ROCKは哺乳類細胞で2つのアイソフォーム(ROCK-I、-II)が存在し、アクチンストレス繊維の形成に寄与する。本分子の個体での機能解析の目的で、ROCK-I、-IIそれぞれの遺伝子欠損動物を作出したところ、我々の研究結果から胚発生において固有の機能を有していることが判明している。一方で、ROCK-I、-IIはその機能の相同性から胚発生においても協働的な機能を有していることも考えらたため、ダブルヘテロの個体同士の交配により、ダブルノックアウトマウス(DKO)の作出を試みた。その結果からDKOは胎生致死であったため、その死亡時期の同定のため、胎生期9.5日(E9.5)および12.5日(E12.5)において各遺伝子型の胎仔の数を調べたところ、E9.5においても、DKOは確認できず、DKOは発生の初期で致死になることが判明した。一方、E9.5で確認されたROCK-I^<+/->/ROCK-II^<-/->、ROCK-I^<-/->/ROCK-II^<+/->の個体は、E12.5では認められず、これらの個体はE9.5〜E12.5日に致死となることが判明した。そこでE9.5これら胚を観察したところ、この時期で確認されるターニングが見られず、同様なことがダブルヘテロの個体の約半数においても確認された。さらに、これらターニング異常の個体では、卵黄嚢上、胎仔での血管形成に遅延を認めた。これらの結果からROCKは胎生期の血管形成に重要な機能を担っていることが示唆された。また、最近mDiaがSrcを介して血管透過性の調節に寄与しているとの報告もあり、個体においてもRho標的蛋白質が血管形成およびホメオスタシスに関与していることが見出されている。
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Research Products
(1 results)