2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石川 一彦 Osaka University, 医学部附属病院, 助教 (60379245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 名誉教授 (60107042)
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Keywords | hTERT / テロメア / 血管内皮細胞 / 老化 / テロメラーゼ |
Research Abstract |
1,血管内皮細胞におけるhTERTの役割 細胞の加齢、分裂回数の増加に伴い、hTERTの発現が増加した。hTERTが検出された細胞においては、過酸化水素刺激により、hTERTの発現低下(コントロールに比し、約80%)が認められた。過酸化水素刺激によるhTERTの発現低下は、プロブコールの添加によりコントロールレベルにまで回復した。 2,テロメレース高発現ベクターpEBc-hTERTのHUVECにおける効果 hTERT導入細胞において、eNOSの発現亢進が認められた。酸化ストレスに対して、hTERT導入細胞は、コントロール細胞に比し、生存細胞数が約20%多かった。酸化ストレスに対して、hTERT導入細胞は、コントロール細胞に比し、エンドセリン-1分泌が、約25%減少していた。 以上の事から、細胞分裂の進展や酸化ストレスは、テロメラーゼ活性の低下を導き、これが血管内皮の老化促進因子となる事が示唆された。hTERTは、テロメアを伸長する以外にも、酸化ストレスなどの刺激に対して、防御的機能を有する事が示唆された。 hTERT遺伝子導入による内皮の防御機能獲得には、eNOSが関与している可能性が、示唆された。これらの事を、2007年度日本老年医学会に発表した。 さらに昨年度までに明らかになったpEBc-hTERTの長期発現効果のマウスへの影響を調べるために、尾静脈への急速静注を行い、肝臓において約3週間に渡る発現が維持された。大腿の筋肉への注射では、有意な長期発現が得られなかった。
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